リスケ中、1億円の売掛債権担保融資

年商50億の運送業で、企業に対しての物流のオペレーションと最適化を一貫して包括管理する物流事業を営んでいる。営業エリアは全国に拠点を持ち右肩上がりに売上を伸ばしている。

ただ、拠点増設・システム費用等々の先行投資部分を借入に頼っていた為、借入過多の状況が長く続いていた。

そこへ昨今のサブプライム問題による円高・株安の影響により金融機関からの短期折り返しが出なくなり、行き詰ってしまった。

毎月の銀行返済が約1億円あり、もはやその返済に対しても金融機関の支援なくしては、返済できない状況に陥っていた。

財務内容・資金繰りにおいては、直近3期分の決算においては、売上も3期連続増収増益であった。

しかし今期通期は、新規事業の先行投資によりコスト増となることから大幅な欠損計上を予定しており、営業利益ベースでマイナス、最終利益は▲2億円弱となる見通しであった。

やむを得ず、コンサルタント同行のもとリスケを要請することとなり、それと同時に売掛債権担保での資金調達を依頼をすることとなった。

今後リスケ期間中は金融機関から資金調達ができなくなることを考えると、新規事業も立上途中であることもあり、何としてでも、ある程度の手元資金の確保は必要だった。

幸いなことに、売掛金の入金実績は毎月120社程から入金があるなど、リスク分散且つ恒常的が図れており、担保評価としての懸念材料はなし。

リスケをすることにより毎月1億円内外の銀行返済が、向こう1年間は元金据置の利息のみとなり、ある意味大幅なキャッシュフローの改善となった。

売上も決して落ち込んでいるわけではなく、コンサルタントの指導の下、不採算事業からの撤退とコスト削減により十分利益は出していけると判断し、融資実行に至った。